にゃまむ の ブログ

欺瞞に満ちた世の中の「常識」を考え直す、良識ある本や記事を紹介し、漠然とした将来への不安を解消するブログ

結論:一般社員は「会社に依存しない」生き方をしよう、という話。

失敗しない人を信用してはいけない

http://www.huffingtonpost.jp/yuuya-adachi/failure-trust_b_5495788.html

安達裕哉 ティネクト株式会社 代表取締役

 

経営層向けに書かれた記事ですが、一般会社員視点で逆手にとった考え方を提案したいと思います。

 

本記事では、会社の「目標必達」について考察しています。

毎年のように各部門長は経営者と、「ぎりぎり達成できそうな目標」を折衝することに心を砕いていた。

そして、部門長と社員の努力で、この会社は殆どの人が「毎年目標達成」していた。経営者は自分の正しさを確信していた。

しかし数年後、この会社の商品は陳腐化し、誰も目標達成できる人間はいなくなった。後に続く商品はない。

当然である。リスクの高い試みは誰も手を出そうとしなかったからだ。目標達成できなければ、社員として会社での立場はなかった。

 上記例を上げ、

「失敗できない」という状況ほど、人間を保守的たらしめることはない。

クレイトン・クリステンセンが指摘するように、大企業の中からイノベーションが起きにくい理由は、まさに「失敗を避ける」からであり、サラリーマンが受ける人事評価にとって失敗が致命的であるからなのだ。

 と、短期的目標設定と必達という人事制度がイノベーションを阻害し、結果的に長期的成長の阻害要因になると述べています。

 

さて、評価される側の一般会社員にとっては、これを読んで「イノベーションだ!」と叫んだところで、会社は何も変わらないでしょう。

といっても、会社の「目標必達」に疑問や長期的成長に不安を感じながら、従順に働くのも精神衛生的によろしくありません。

では、どうするのがいいか?

 

結論から言うと、「会社が落ち目になってきたら、会社を変える」が一番よいと思います。

どうしても、会社は(特に業績がよいときは)短期的利益獲得に動きますし、長期的視点でといったところで、一般会社員は今日・明日の仕事をこなすことが重要になります。

また、「一般会社員の失敗」を評価する会社は皆無でしょう。(大概、「失敗」が許されるのは経営層やリーダークラスのみ)

であれば、会社の「目標必達」に従順に結果を出し、自分の実力をつける(きちんと仕事をこなせば、必然とつくはず。難しいことをする必要はない)ことが、非常に重要になると思います。

そして、会社が落ち目になってきた時に、出した結果と自分の実力を自信に、会社を変える。ようは「会社に依存しない」ことが重要ということです。

 

上記「会社に依存しない」ためには、雇用流動性の促進や同一労働同一賃金といった社会的環境が整うのが(一般会社員にとっては)ベストです。

これらは政治的問題として、選挙を通して改善されるよう働きかけると同時に、現環境でも(不利とはいえ)会社に依存しない生き方を実践する「勇気」が必要と思います。

 

なお、元記事については「その通り」と思う反面、「評価」がある限り短期的視点のジレンマは続くと思います。

ですので、長期的視点でイノベーションを起こすべきは評価する側=経営者だと思います。失敗したら報酬減で責任をとる。それでいいと思います。

長期的にダメになる会社は、経営者が単なる裸の王様で、自分の安泰のみを考えており、結果「自分で」新しいことをやらない(=人にやらせて裁判するのみ)風潮があるのではないでしょうか。